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漂流人間とクリスマスブログ

注※ネタバレ、ガールズラブやボーイズラブ要素を多分に含む自己満足中二病ブログです。

「花とアリス殺人事件」 2人の世界/世界の2人

感想


「キットカット」 x 「花とアリス殺人事件」スペシャルコンテンツ - YouTube

花ちゃ~~~~~~ん

 

殴り書き散らし。ネタバレ含むかも。

 

花とアリスという映画が好きで、もう10年以上も前の作品なんですけど、色あせないみずみずしさがあって綺麗。
映像の美しさとか、人物(というよりキャラクターと呼びたい)の口調のちょっと浮世離れしたところとか、限りなく現実に近いここではないどこかの世界を感じさせてくれて好き。あの世界が実在する気はしないけど、あの世界で花やアリスが生きている感じはある。
私は登場人物の中でも特に主人公2人のうち1人、荒井花ちゃんが好きで花は狂気的だの暴力的だの言われるような性格なんだけど根は素直でまっすぐな女の子なんですよ。まっすぐすぎると狂気にもなるのかね

もう1人の主人公アリスは他の人との交流を通して自分の父親を見てる。さらにそれを通して自分自身を見てる。儚げな風貌してるけどなかなかにDQNっぽい一面もある。自分の意思を突き通して突飛な行動に出るからかな。それは花ちゃんもそうんだけれど2人の性質は微妙に違う気がする。アリスは根源が透き通っていてドロドロしていないけど花は黒いものため込んでため込んで吐き出してるような。ヘドロな花ちゃん。

で、今年その花とアリスの前日譚であるアニメーション映画「花とアリス殺人事件」が公開されたわけなんですよ
ただでさえ天使の花ちゃんが二次元になってしまったよどうすんの?
まずもうポスターの2人がたまらん。アリスの肩に背後からもたれかかる花…アリスの凛とした表情に対して花のけだるげな目線よ!あ~
私自身、女子中学生に夢を抱いていてその夢の形を壊さず作品にしてくれている素晴らしい作品でした。

本編の話なんだけど、タイトルが花とアリスなのに花とアリスが邂逅するまでの時間長い!前半はずっとソワソワしながら見ていた。
前半がアリスの話で後半は花の話がメインかなーと。
花とアリスはコンビなのでどちらもメインではあるのだけど。
花は引きこもりを1年以上続けていてダブり中学生だった…設定が付加された…それによって花とアリスは同級生だけど花の方が年上という…年の差同級生最高じゃないか…

アリスは花の家のお隣に引っ越してきた。物理的距離が近い。出会うべくして出会った2人。親の事情で引っ越してきたアリスと自分の事情で引きこもってる花。花は引きこもってるけど外との繋がりを断ちたいわけではないのでいつも2階から外を覗いている。なんで覗いていたかと言うと恐らく元お隣さん(今はアリスの住んでいる家)の湯田くんがもしかしたらまたそこに姿を見せるかもしれないと考えていたからだと思われ。花は執念深いタイプなのでそうやって毎日外を見る作業は苦行ではなかったのかな。

花はユダを殺してしまったと思いつつももしかしたら生きている可能性があると希望も持っていて、しかし実際に外に出て引っ越し先の湯田家を見に行くことができない。執念深いわりに奥ゆかしいというか煮え切らない花。まあもし見に行って本当に湯田が死んでしまっていたらと思うと怖かったのだろうけど。見に行かなければ湯田は生きてもいるし死んでもいる(花の頭の中では)

自分1人で湯田の生死を確認できるほど花は強くなかった。好きな人の背中に蜂を入れる勇気はあったが…殺すつもりはなくて痛い目みせたかったくらいの気持ちだったのかな。
そんなときに現れたお隣さんに引っ越してきたアリス。自分の家の元住人が殺されたと知り、隣の家の花が何か知ってると思い、家に乗り込んでくる。アリスの物怖じしなさに驚きつつも花は長い間練り続けていた湯田の生死確認の方法をアリスに持ちかける。

話の流れは引っ越してきたアリスは引きこもりのお隣さんの花と仲良くなりなんやかんやで花もまた学校に通うようになるまでを描いていて、ド派手なストーリーなわけではないけれど花とアリスの存在がドラマチックなので全ての展開がキラキラと輝いて見える。

今作初登場のいじめから逃れるために中二病を演じる陸奥睦美は実に二次元的なキャラクターでこれは実写では登場できなかっただろうなと思った。そういったアニメならではの良さも楽しい。
陸奥睦美の痛々しさすごい。演技なんだけどね。
あとやっぱり風ちゃんは良い子だなぁ~アリスにアリスってニックネームつけたのは風ちゃんだったんだね。彼女らしいと思った。

アリスは転校生で、制服がなかなか届かなくて前の学校の制服を着ている。制服が違うだけでも学校の中ではよそものな雰囲気がビシバシ出る。息苦しくて面倒くさい学校と家に帰ると乙女体質でちょっと面倒なお母さんが待っている。アリスがお母さんを呆れてた顔で見る描写が何度もあるけどなんだかんだアリスは両親が好きだよね。両親が言ったことを素直に受け入れるアリス。
お父さんにリレー頑張れよ言われればちゃんと頑張るんだよなぁ。多分お父さんそんなに深く考えてないし、体育祭見に来てくれないし。お母さんは来てくれたけどアリスはどんな気持ちだったんだろう。

花とアリスが出会ってから共に行動するようになって、終電逃してラーメン食べて駐車場の車の下で野宿をするくだりが泣けて泣けて仕方ない。中学生の小規模な冒険奇譚。アリスは花の懺悔話を聞いて泣くけどあれは花を思ってではなくてやはり花を通して自分を見ている部分があったんじゃないかなぁ
クライマックスの美しい舞台がただの駐車場で。でも2人がいればただの駐車場も素晴らしい物語の舞台になっていた。

おもしろおかしさとかそりゃないだろと思うような展開とかそういうのも全部その世界の出来事としてスッと頭に入り込んでくる。
あったかい気持ちにもなるし辛い気持ちにもなる。アニメだろうと実写だろうと花とアリスは確かにそこにいると感じる。
作者からの愛情を感じる2人。いいなぁ。