順調に無職の桃井です！上半期読んだ本の中からおすすめを紹介します～
・信仰
村田作品は設定力のすごさに毎回びっくりする。長編が書けそうな凝った設定を短編で惜しげもなく使っているのが希少部位の肉料理食べている気分になる。
・私の頭が正常であったなら
乙一先生の白人格の山白せんせー。表紙は単行本版の方が好み。タイトルが消えそうで内容と合っていると思った。「世界で一番、みじかい小説」に落ち着いたテンションで霊が出てくるのが淡々と怖くて好き。乙一作品ってナチュラルに暴行が横行してる世界なの絶望感ある。なんだろ、性悪説？当然この世界に消えずにあるものして描写されている。この本はそんなでもなかったけど。
・沈みかけの船より、愛をこめて
乙一先生のひとりアンソロ。ひとりアンソロしてることに特に触れないの好き。
表題作が離婚する両親にどっちについて行くか見定める冷静な娘の話でその冷静さが面白おかしい。
・なぜ人はカルトに惹かれるのか 脱会支援の現場から
宗教団体の広報担当をしていた筆者が一般人を論破できるようにマインドコントロールの本を読んだ結果「自分の教団これじゃん！？」と、パラダイムシフトを起こしたのがおもしろかった。
・新潮2023年04月号
◆舞城王太郎「恐怖は背骨になる。」
母の再婚相手は《だるま》が嫌いだという。
なんで？ 調査の末に少女が辿り着いた場所は。
♡舞城♡の新作、読んで！タイトルがもう好き(2004年芥川賞の選考で題名からうんざりしたらしい石原慎太郎の逆を行く←この件を擦り続けるワイ)新潮の「○○は××になる。」シリーズ単行本化してほしいな！「秘密は花になる。」も好き。
・闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由
いろんな女の人のいろんな話が載ってる本。元気な人が好きなら読むと楽しいはず！
一条ゆかり先生の自己プロデュース力がすごい。
・ウィステリアと三人の女たち
生涯片想い女ウィステリア…はやくこれになりたい。
・from under 30 世界を平和にする第一歩
なぜ争いは起きるんだろう。いま、世界を平和にするためにできることって？ 作家、発明家、ピアニスト、起業家など30歳以下の19人からの多彩なメッセージが詰まったアンソロジー。
14歳の世渡り術シリーズ。私は全然14歳じゃないんですけど、14歳のために30歳以下の若者が世界を平和にすることについて真剣に考えている構図があったけぇ…となる。
人選とか、並び順とかこだわり感じて良き！
津久井五月先生の「幻想は現実を突き進むための傘のようなものだ」っていう考え好き。
・学校では教えてくれない 自分を休ませる方法
「from under 30 ～」を読んだ結果、若者に優しさを与えようとする本に対してメタって温かみを味わいたい状態になり読んだ。私みたいなメタり欲がある人におすすめ。
・きみの体は何者か ――なぜ思い通りにならないのか?
自分の身体的特徴(頭痛持ちなど)をメタファーで表現し、仲間を獲得しようという話があった。身体の中で起きてることは他者にわからないから他者に伝えるときにメタファーにする。
新型コロナウイルスを「戦争」とたとえるか「ウイルスの引越し」とたとえるかで、人の意識は変わる。前者は犠牲者が出るのはやむなしと考えてしまう人も。メタファーは現実を見る見方、人々のふるまいを変える。自分が漫画を描くときも考えたいことだと思った。
・わたしの身体はままならない: 〈障害者のリアルに迫るゼミ〉特別講義
「きみの体は何者か～」で伊藤亜紗先生の文章と考え方が好きだなーとなったので、こちらも読んだ。
「信頼と安心がぶつかる」とか、なるほど。GPSをつけて子どもの居場所を把握することは親にとって安心につながるが、信頼は失われる。マニュアルガチガチになる会社とかまさに…すべての社会の話だった。
・物語の役割
物語は事実を受け止めるのに使われたり、輪郭は曖昧なものでいい、みたいな普段からなんとなくやっている頭の動きが言語化されており読んですっきりした。
事実を受け止めるために自分で作った物語で逆に必要以上に悲観することが私はよくある。
・ナイフ投げ師
『ナイフ投げ師』の緊張感ある恐ろしいステージで恐ろしいことが起きているけどステージがずっと続いてほしいから客が内密にするって流れ、最悪のアイドル現場みたい。
『夜の姉妹団』も「いやあああ！女の子たちが夜にやばいことやってるううう！」とアイドルのオタクが妄想で暴れてるみたいな内容で素直に草です。
・おわりに
下半期もいろいろ読みたいっす。
最後にまったく無関係な侍の新曲を貼っておきます。再生数回してください(直球)
